サラリーマンのくせに仕事に関係することを何も書いてないことに気づき、愕然としていたのですが、サイボウズ式の記事『「できません」が言えない人はプロ失格』を読んで、非常に共感するところがあったので、ちょっと自分語りも交えて、適当に仕事観を語ってみます。
「できません」について
実を言うと、ぼくは「できません」を言ってはいけないと思っていました。
どうしても、何をやっても「できない」なら代わりの策を用意しておかなければならない……と、ずっと思い込んでいたんです(いや、もちろん代替案を用意しておくに越したことはないんですけどね)。
そうじゃないことに気づいたのは、つい先月のことでした。
むしろ「できます」は危険
ぼくは本業で、プロジェクトマネージャーだとかコンサルタントと呼ばれるようなことをやっています。といっても、まだまだ経験が浅くて、試行錯誤の日々なんですけどね。
で、とあるお客さんのところで、打ち合わせをしていたんですが、どうも話を聞いていると、お願いしていた宿題や決め事を全然やっていなかったことがわかってきて……。
その時のお客さんは、ぼくがなんとかしてくれるものだと思っていたようでした。
それに気づいた時、ぼくは「あ、やり方が間違っていたんだ」と直感しました。
現状、とりあえずなんとか軌道修正できたので、めでたし、といったところなんですが、そもそも何が「失敗」だったのかを振り返ってみました。
失敗だった出来事
失敗だった原因はいくつかありますが、一番大きかったのは、タイトルに書いた通り、なんでも「できますよ」「いいですよ」と引き受けすぎたことにあります。
ひとというのは都合の良い生き物で、お願いごとをするのに最初こそ「悪いなあ」「ありがとう」と思うんですけど、それの頻度が増えてくると「当然」という考えになり、断られた時に「なんで?」と反感を覚えるんですよね。
受けている方も良かれと思ってやっているのに、これじゃあ報われないですよね。少なくとも、ぼくは報われなかった。だから、代わりに憶えた対応方法があります。
断ること、怒ること、叱ること
ぼくは安請け合いしすぎたことで、お客さんとのパワーバランスが崩れつつありました。だから、それを正す作業を始めました。
まず、すべてを断りました。もちろんただ断るだけでなく、断らないといけない理由を言って、すべて相手に納得させました。
今度は宿題をやらなかったことに対して、怒りました。怒鳴り散らすとかそういうことをするのではなく、静かに、ただし明らかに怒りを感じさせて、「あ、ちゃんとやらないとヤバい」と思わせるようにします。
最後に、決め事を守らなかったことに対して、叱りました。「叱る」と「怒る」は違う、なんて話はよくありますが、たしかに全然違います。怒るのはただ怒りの感情を見せるだけですが、怒りの感情を見せつつ相手を正しい方向へ導くことを叱る、とぼくは思っています。
そうすると、不思議なことに、お客さんは見違えるように能動的になりました。
もちろん、やり方がすべて正しかったとは思えませんが、やったことで望んでいた形に収まったのは間違いありません。
「否定」を伝えるのは悪いことじゃない
「できません」「無理です」「不可能です」……こういう否定の言葉を言うのって、すごく勇気がいりますよね。でも、言ったほうが絶対にいいんですよ。
「できます」「大丈夫です」「可能です」と答えて、仮にその通り、問題なく対応できた場合、相手は何か思ってくれるでしょうか。たぶん、何も思わないんじゃないでしょうか。だって、最初に聞いた時に答えてるんですから。「できる」って。その時点で相手の中の期待のハードルが上がっちゃってるんです。
逆に「できない」ということで相手のハードルを下げます。できなければできないで納得するし、できたならできたで相手の要求のハードルより高く超えたわけですから、感謝されます。
だから、基本的に「できます」なんて言ってはいけないんです。自分を守る意味でも、しっかり「できない」ことを伝えましょう。もちろん、そこに理由を添えてあげれば、頭のおかしなひとでない限り、わかってくれます(ちゃんと伝えているにも関わらずわからないひとは本当に頭のおかしいひとなので、別の作戦を立てましょう)。
また、相手が間違ったことを言った時も、しっかり「間違えている」と伝えましょう。でないと、どんどん悪い方向に行きます。パワーバランスが崩れた時、関係も終わったと思ったほうがいいです。
とはいえ、例外もあります
散々否定しろと書いてなんですが、たまには「できます」も使いましょう。アメとムチの使い分けです。でも、「できる」と答えるのは、絶対に「できる」とわかっている時だけですよ。「できる、かも」という状態なら、絶対に「できる」なんて言っちゃダメです。
あと、ごくまれに嘘を言うと即座に気づき、異常にそこをつついてくるひとがいます。こういうひとはむしろ裏表なく正直に応対した方が安全です。こういう対応ができるひとは、たいてい正直に接してくれていることがほとんどです。
まとめ
- 「否定」の言葉は悪いことじゃないし、ちゃんとした理由も添えれば納得しないひとはいない。
- 「できます」が当たり前になった時、関係は崩れる。
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