2015/04/24

声のチカラってすごいと感じた通勤時間。

駅を出ると、途端にマイクを通した大音声が響き渡っています。

いま、統一地方選なんですよね。何人もの候補者たちが通勤中の男女に向かって熱い言葉を飛ばしています。

様々な候補者たち

会社の最寄駅にも、候補者がズラリと並んでいます。10人近くはいるんじゃないでしょうか。

あんまり詳しくないんですが、いろんなパターンがあるんですね。本人が熱い演説を繰り広げているかと思えば、本人はただ手を振っているだけで支援者がずっと演説したり、その隣ではものすごく小さいマイクとメガホンでたったひとり自分の宣伝をしている候補者がいたり、なぜか通勤中の人間に向かって何も話さずただお辞儀を繰り返したり、自分の名前をひたすら言い続けたり、とあまりにも多種多様で驚きました。

ぼくの地元だとこれほど多くの候補者が並んでいる風景はないので、選挙のときは候補者が自分で演説して、支援者は「お願いします」とだけいうのがあるべき形(というよりみんなそうしていた)と思っていたので、非常に新鮮だったんです。

演説にどれだけの効果があるんだろう?

ぼくの歩いていた駅では、あるふたりの候補者のマイクの音量が大きく、たぶんお互いに競り合っていたんだろうな、と思うんです。

でもそのとき思ったのが、通勤中の人間に訴えかけて、果たしてどれだけのひとがその言葉に耳を傾けたり、その候補者を見たりするんでしょうね、ってことなんです。

なんて書いちゃうと「おまえ選挙に興味ないだろ」なんて言われてしまいそうですが、でも事実、ぼくは通勤中にどれだけ演説されても耳を傾けたりできません。だってそれどころじゃないんだもの。東京のひとってみんなそうじゃないですか?

昼間から夕方の繁華街の演説とかは、老若男女様々が歩いているわけだから、非常に効果的だと思いますが、通勤途中の会社員たちに訴えかけるのはいくらなんでも無理があるでしょう。

事実、みなさんの周りはどうですか? それに、みなさん、立ち止まって聞く余裕なんてありますか?

さらに言えば、演説に興味を持っても、それを話す候補者を目で認識して、記憶できますか?

努力している方々には申し訳ないですが、ぼくは無理だと思いました。

いくらいい話をしていても、通勤中のぼくたちはそんなことに構っていられないので、当然、聞き留めることもできなければ、いくら手を振ってくれたって、こっちは候補者を見て認識することもままならないんです。

そんな状況ですから、何も言わないなんて候補者ははっきり言って、選挙に立候補したこと自体が時間の無駄ですよ。戦略ならともかく、無意味な行為を採るぐらいならお金が尽きる前にさっさと辞めてしまったほうがよっぽど有意義だと思いますよ。

ただ名前をひたすら言い続けること

そんな中、ただひとり、これは非常に効果的だな、と思ったやり方を採る候補者がいました。

それが、ただひたすら名前を言い続ける候補者でした。

ぼくはさっき、あるふたりのマイクの音量が大きく、競り合っているような雰囲気だった、と書きました。そのうちのひとりは、演説をしていました。もうひとりは、ずっと自分での名前を言い続けていました。それも、よくある「田んぼの田に、なんとかの何に……」という文字を連想させるような言い方ではなく、ただただ自分の名前を言い続けていたんです。

ぼくは演説よりも、その名前を言う候補者のほうが印象に残りました。それと、「声の力ってすごいな」って思ったんです。だって、こういう場合、上にも書きましたけど、候補者を見てる暇なんてないですからね、音が最大の武器だと感じたんですが、ただ名前を言うことが、これほど効果的に感じたのも初めてでした。

何度も同じことを言い続けて、それも投票者を小馬鹿にしたような変な言い方ではなく、ただ淡々と言い続ける。見なくてもだれかわかる。その名前を検索、あるいはポスターを見れば、姿も一目瞭然。一見、バカバカしく思うかもしれませんが、興味を持たせるには非常にいいやり方だと思いませんか?

声と目と

ぼく個人としては、一番情報量が多いのは視覚から得られる情報だと思っていますが、インパクトを持たせるのは至難の業だと思います。

インパクトを与えるのに効果的なのはやはり音ではないでしょうか。音楽でもやっぱりボーカルが上手でないと下手に見えてしまうような感じです。

そこを候補者の方々がどれだけうまく使えるかが、選挙に勝つためのひとつの方法なのかな、と思います。

でもこれって仕事も一緒ですよね。仕事の場合は目で訴えることが多いと思いますが、それの補助装置として、いかに声や音をうまく使えるかが、プレゼンや会議などでできるできないの差につながっていくのかな、と感じた通勤途中の話でした。

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