2015/04/08

憧れの時代にタイムスリップ!? 「ミッドナイト・イン・パリ」を鑑賞!

ウディ・アレンの映画「ミッドナイト・イン・パリ」を鑑賞しました。

近所のTSUTAYAで借りてきました。

なぜこの映画を借りようと思ったの?

すみません、ほとんど理由なく手に取りました。

日本だと2012年公開なんですよね。2012年は映画をまったく見なかった一年なので、当時、何をやっていたのかさっぱりわからず、この映画も「こんなのがあったのか」と前情報も何も持たずに、ただただウディ・アレンの映画だし、ということで興味を持っただけです。

単純にわくわくする楽しそうな映画が観たかったんです。

どんなお話?

公式サイトを見ると一発でわかります。いちおう、こちらでも文章で簡単にお話の流れを書くと……

主人公のギルはハリウッドで売れっ子の映画脚本家として生きているが、自身の書く脚本はくだらないものと思い込んでいて、脚本ではなく小説を書きたいギル。インスピレーションを求めて、恋人の家族と共に憧れの街、パリへ旅行に出かけた。とある深夜、パリの街に迷い込んでしまい、教会の前で座り込んでいた。すると、12時の鐘が鳴り、一台の古い車が目の前に現れた。速く乗れ、と言われるがままに乗り込むギル。やがて車はクラブに到着し、中に入ると、コール・ポーターそっくりのピアノ弾きがコール・ポーターの歌を歌い、「フィッツジェラルド」と名乗る夫妻がギルの前に現れる。彼らに着いていくと、そこにはヘミングウェイと名乗る男まで登場し……。

という内容(冒頭部分だけ)です。

いわゆる「現実を離れ、ある場所と時代夢見る男」の話です。主人公のギルは1920年代のパリこそすばらしい時代であると信じて疑わず、実際にその世界へタイムスリップすることで、彼が少しずつ成長していくというサクセス・ストーリーの構成に近い作品です。

現実世界とはまったく異なる世界にひょんなことから足を踏み入れ、それに刺激された主人公が成長していくというアイデア自体は珍しいものではありません(今作とは逆パターンになりますが、たとえば鯨統一郎の「タイムスリップ森鴎外」は比較的近いプロットの作品だと思います)。

また、特徴的なのが、タイムスリップしたことを明示せず、いつの間にか違う時代に移動している、という見せ方をしているところです。「境目」を見せないことで、より過去の世界を魅力的に描いているような気がします。

率直にどうだった?

ウディ・アレン作品については「カイロの紫のバラ」と「アニー・ホール」を観ているんですけど、「アニー・ホール」とは全然違って、どちらかというと「カイロの紫のバラ」に系統が似ているな、と感じました(あっちも似たようなファンタジーですから)。

ぼくは「カイロの紫のバラ」が非常におもしろかったので、今回の作品もすごく楽しめました。何も考えず、とにかくずっと眺めていたい、楽しい映画でした。

ただ、ウディ・アレンってファンタジーより、「アニー・ホール」のような、日常的なシーンを描く方が上手な気がしたんです。「ミッドナイト・イン・パリ」がダメだったとか、そういう話ではなく、日常のシーンのおもしろさは単純に登場人物のセリフや感情の見せ方が上手だったりと比較的技術的な要素が強く、タイムスリップのシーンは単純にそれだけで興味深いのでついつい観てしまうおもしろさ、といった具合にそれぞれのシーンで見るべき要素が大きく違っていると感じたのですが、観ていて関心したのは日常のシーンの方でした。

たぶんほとんどのひとは主人公ギルに対して苛々したと思うんですが笑、ギルの言わんとすること、やりたいけどうまくいかない葛藤というのはなんだかわかるような気がしました。「昔の方が……」と思ってしまう感情も非常に共感してしまいます。実はぼくも1980年代にタイムスリップできるなら本気でしたいと常々思っていますから。

少し残念だったのが、ギルの物分りが良すぎる点かな、と。いろんなファンタジックな要素をファンタジーに見せたくなかったが故にこういった形になったんだと思うのですが、ギルがタイムスリップした直後からいきなり自分の状況を理解できている妙な冷静さは観客の思考とシンクロしていて、テンポよくストーリーを楽しめるのでよかったのですが、ギルが過去と決別するそのきっかけについてはさすがにちょっと弱すぎると思いました。急激に冷めたといえばそれまでなんですが、さすがにもうちょっと未練はあったんじゃないかな……と。

それから、イネスを演じたレイチェル・マクアダムスが個人的にめちゃくちゃタイプで、正直なところ、ギルがどうしてアドリアナに向いたのか、そこだけ感情移入できませんでした笑

そろそろまとめ!

はっきり言って、おもしろいです。おすすめです!

細かいところとかがすごく気になる、という方は避けたほうが無難かもしれませんね。けれども、さっきも書きましたけれど、何も考えず、とにかく主人公ギルと物語を共有して楽しみたい方はもう観ちゃってください。

おそらく、ものすごく楽しめる、いい映画だと思います。

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