実はいま関西遠征中で、せっかくなのでずっと気になっていた突撃金魚のお芝居を観に行くことにしました。
公演情報
団体 | 突撃金魚 |
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作・演出 | サリngROCK |
キャスト | 片桐慎和子(突劇金魚)、山田まさゆき(突劇金魚)、有北雅彦(かのうとおっさん)、大畑力也、Sun!!、殿村ゆたか(MelonAllstars)、ののあざみ |
劇場 | アトリエS-pace |
上演時間 | 90分 |
どんなところ?
場所は京阪本線の野江駅近くの「アトリエS-pace」というところです。
野江駅なんて行ったことがなくて、いったいどんなところなんだろうと思っていたら、まさかまさかの住宅街。こんなところに劇場なんてあるんだろうか、と思いながら徒歩3分ほどすると、見えてきたのはプレハブ小屋っぽい倉庫。
なるほど、こういう形の小劇場なのね、と少し感動しました。
小劇場としてはそこそこ広い劇場で、キャパもがんばれば70人は入りそうな気がしました。そんなには入らないかな?
客入れの時点では、舞台には中央に墓石のような灰色のごつごつした長方体があり、そこに照明が当てられています。
舞台がはじまると、実は奥の部屋がある、ということがわかり、この見せ方は単純ながら、狭い空間ではできないという先入観があったので、なかなか印象的なシーンでした。
どんなお話?
まずは公式ページのあらすじを引用します。
お肉屋さんでコロッケを2つ買った帰り道、電信柱の傍で「ぎゃっ」て声がした。
足元を見たら、おっきなゆうれいが寝転がっていた。
「ご、ごめんなさい」と言って足を退けて、走って逃げた。
商店街で振り向くと、ゆうれいがついて来た。
ゆうれいは家までついて来て、私の部屋にどっかと座った。
夜、頭が冷たくて目を覚ましたら、ゆうれいが、私の頭に水を垂らしていた。
「ナニすんのっ」って頭を触って、気がついた。
つむじに何かついている。
鏡でつむじを見 てみると、小さな木の芽が生えていた。
ゆうれいがジョウロを持って迫ってくる。
こいつ、この木の芽を育てるつもりだ。
これは本当に冒頭部分で、開始5分ほどまでの展開を描いています。
もう少し先のところまで追記すると、タイトル通り、幽霊を踏んづけてしまった主人公は、その日から幽霊に付きまとわれ、頭にじょうろで水をかけられてしまいました。すると、数日経って、頭から桜の木が生えてしまい、たったひとりの家族だった祖母には勘当され、遠い親戚を頼ることに。頼った親戚はアイドルになりたい妹とそれを見守る兄のふたりで、妹とは桜の木のおかげで懐かれそうになるも、そのふたりとも、とある事情で訣別し、また主人公は次の「家族」を探しに行く、という風に進んでいきます。
作・演出のサリngROCKが岸田戯曲賞の候補になったことがあって、その時に突撃金魚の名前を知ったのですが、その頃は関西の芝居なんて観られなかったので当然のようにまったく観ることはなく、ただずっと印象に残っていた気になる存在、というだけでした。なので、どんな作品を書くのかなと期待を込めて劇場まで行ったわけなんですが、女性なので、わりとほんわか系なのかと勝手に勘違いしていました。
女性だからこそか、不条理でシビアな世界観でした。「家族」を求める主人公と、主人公の頭の木を求める周りのひと。そのこと自体はすごくストレートなのですが、男には書けないストーリーと結末だと思います。個人的に、最後のセリフが忘れられません。タイミングが悪かったというか、なんというか。唯一、主人公そのものを求めたひとと分かり合えなかったというすれ違いの極みを見せられたような、切ない感覚になりました。
しかし、女性作家にしては笑いのセンスがわりと男性的というか、女性らしさが感じられなかったのはたぶんぼくだけだと思うのですが、でもこれは決してマイナスポイントではなく、どちらかというと個人的には非常によかった部分です。めちゃくちゃ笑いました。
どうだった?
一部の役者さんが白塗りをしていて、わりと異様な雰囲気です。どうして白塗りなのか、説明はありません。いつもそうなんでしょうか。それとも、今回は何かを意味してそうしたんでしょうか。知識のないぼくに意図はわからなかったです。
それから、さっきも書きましたけど、笑いの部分が好みで、めっちゃ笑いました。
あと、関西の劇団だけに、みんな関西弁で芝居していたのも、やはり関西ならではなので、高ポイントです。やっぱり、地域性は出すべきだな、と再認識しました。特に、芝居を関東に持っていくのなら、余計に思いますね。
役者さんも関西弁だったからなのかはわかりませんが、内容のわりにはわりと自然体で、片意地張らずに観ることができたので、そこも高ポイントでした。
戯曲買えばよかったなあ。今月、散財が多くて、戯曲の購入を諦めたのですが、やっぱりもう一度、ちょっと見返したいです。
まとめ
行ったことのない劇団、劇場でしたが、満足度の高い観劇となりました!
次回公演もぜひ行きたいですね!
ちなみに、公式サイトにも記載がありますように、この公演、東京公演があります。
関西の質の高いお芝居として、この作品、ものすごくおすすめなので、ぜひぜひ行かれてみてはいかがでしょうか?
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