2015/05/24

Amazonで注文したくなる、イキウメ「聖地X」を観劇しました!

イキウメ「聖地X」を観劇するため、シアタートラムへ!

ここ最近、観る芝居観る芝居おもしろいものばかりで非常に充実した週末を過ごしていますが、この芝居も期待に違わない作品でした。

どんなお話?

今回もいつものように、公式のあらすじがあるので、それを引用してみます。

東京から特急で一時間ほどの距離にある田舎町、金輪町。東要(あずま かなめ)は夫に嫌気がさし、金輪町の実家に戻って一ヶ月が経つ。離婚しか考えていなかった要だが、夫の滋が一向に会いに来ないことに腹を立てていた。そんなある日、要は街で滋の後ろ姿を見つけ、後を追う。そこで再会したのは、荷物も携帯電話も持たず、自分の住所さえ知らない滋だった。滋は自分の足取りを確かめると、東京にも自分自身が存在していることを知る。ドッペルゲンガー。この町では過去にも似たような事件が起きていた。調べていくと、要たちはレストランとして貸し出された、ある一軒家にたどり着く……。

というお話です。ちなみにこのあらすじ、上演時間2時間のうちの半分以上を書いちゃっているので、注意してください(と、書き終わってからじゃ遅いですよね。とはいえ、なんだかテレビ欄のサスペンスドラマみたいなあらすじ増えましたね)。

あらすじに書かれている通りですが、突如現れたドッペルゲンガーについて推理や考察を行なっていき、どのように解決するのかを描いた作品です。

結構おもしろそうじゃないですか?

長編コントのような芝居

言葉以上の意味はありませんが、ぼくはこの芝居を「長編コント」のように感じました。一本の筋はしっかり持たせておきながら、それをおもしろいセリフのやりとりで観るひとを引き込んでいくという、非常によくできたお芝居です。

会話のおもしろさもさることながら、「聞け」「言え」とか、「何なのこれ?」とか、ツッコミのワードがとにかくうまいんです。

お笑い文化が広まっているからか、それとも劇作家がバラエティ番組の構成作家をすることがポピュラーになったからなのか、わりと笑わせるのが上手な作家が増えた印象なのですが、それでもここまで笑いっぱなしにさせられた芝居は久しぶりです。

役者みんな間を取るのが上手。今日は調子が悪かったのか、ちょっと外しているところもありましたが、それでも全体的にバッチリなタイミングで声の音もズレがなく、それでいてセリフがおもしろいんだから、笑わないわけにはいかないですよね。また、ここまでAmazonのダンボールを有効活用した芝居も初めてでした。

笑いだけじゃないところも見どころで、クライマックスシーンの異常性はぜひ実際に観てもらいたい。

いままで「イキウメ」なんて名前で避けていた自分に反省です。まさに「人は見た目が9割」ですね。

兄の「輝夫」というキャラクター

あらすじの中には名前がふたつしかありませんが、そのうちのひとつ東要の兄の「輝夫」という人物が登場します。彼の名前はまったく書かれていませんが、実質的な主人公はその輝夫です。彼が現在の置かれている状況の調査からドッペルゲンガーに対する対処方法をすべて計画し、実行していく劇中の中心人物です。もちろん要、滋夫妻は重要人物ですが、物語の中ではあくまで事件の当事者であるだけで、彼ら以外の人間が物語を進めていくような構成です。

その中で、この輝夫という存在は非常に良い位置に立っているんですね。

輝夫はいわゆる「ニート」で、家賃収入だけで生活している、不労所得者です。そのせいかいつもネット、読書、車の整備など趣味にばかり生きている存在です。そんな生活スタイルはともかくとして、ある意味、観客と感性がかなり近く、非日常な事件に対して興味津々であり、作中の様々な疑問に対しても、異様に察知が早い。

登場人物が観客と同じレベルに思考できないことにイライラすることがよくありますが、この作品ではそれがない。それも非常によかったところです(謎自体はそんなにややこしいものでもないですからね)。

輝夫に限らず、キャスティングはバッチリでした。

ちょっとだけ不満というか、なんというか

少しネタバレになりますがが、この作品、冒頭シーンはすでに事件が終わった後の後日談で、つまりエピローグの一部分をプロローグに持ってくるという手法を用いています。

ぼくはこの手法があまり好きではありません。こういうやり方をする作品のほとんどが、ほとんどその手法を活用できていないからです(舞台じゃありませんが、ぼくの知る限り、我孫子武丸の「殺戮に至る病」はこの手法が完璧な形で使われている好例だと思います)。

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この作品もこの手法に意味があるとは思えませんでした。むしろ、変なところで切っちゃったせいで、後日談の余韻が全然残らない。舞台上の岩なんか、最初の種明かしをして、その後一切使わないですからね。それだったら、最後まで「あれなんだろう?」と思わせといて使ったほうが、絶対に効果的だったと思うんですよね。

おそらくいろんな事情で組み替えたんでしょうけれど、個人的にはちょっと残念でした。

まとめ

友人に聞いたら、「イキウメ」のチケットはなかなか取れないのだとか。

ぼくは3月に取ったので、何も苦労しませんでしたが、あの広いシアタートラムが埋まっているんですから、人気の高さが伺えますね。

東京は今月末まで上演され、その後、大阪のABCホールで上演されるそうなので、もしチケットを確保できた方はぜひ行ってみてはいかがでしょうか。

上質なコメディを堪能できますよ。

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