岡崎藝術座の新作「+51 アビアシオン,サンボルハ」を観劇しました!
団体 | 岡崎藝術座 |
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タイトル | +51 アビアシオン,サンボルハ |
劇場 | NICA: NIHONBASHI INSTITUTE OF CONTEMPORARY ARTS |
上演時間 | 80分 |
岡崎藝術座に初めて触れたのは2012年の横浜で観た「アンティゴネ・寝取られ宗介」でした。当時のことはあまり憶えていませんが、「なんとなくチェルフィッチュに似てるなあ」なんてぼんやりしながら芝居を眺めていた気がします(正直なところ、アンティゴネと寝取られ宗介を混ぜた面白味が見えず、ただ、つかこうへいのテキストとそれを言う役者の身体がおもしろいという記憶しかないです)。
それからはあまり観る機会がなかったのですが、前回の「(飲めない人のための)ブラックコーヒー」を観て、岡崎藝術座作品が非常におもしろいことに気づき、また観たいなあと思っていたところにやってきた新作の情報! もう、待ってましたと言わんばかりに意気揚々と出かけました。
ところで、今回の劇場、「NICA: NIHONBASHI INSTITUTE OF CONTEMPORARY ARTS」というところなのですが、さっぱり聞いたことがありません。はて? と思っていると、実は今年にできたばかりで、しかも小劇場ではなくて展示室などに使うことを想定したスペースらしいです。
劇場の入口はこんなところ(岡崎藝術座のサイトから拝借しました)。「○」の部分は蛍光灯になっていて、夜になると、この部分が鮮やかに光ります。ありそうでない、なかなか斬新なデザインです。
小伝馬町駅から徒歩数分の場所にあります。NICAのアクセスマップもしっかりしているので、まず迷うことはないと思います。
劇場に着いた頃、まだ開場しておらず、ぼく以外にも多くの観客がまさに写真のところで待っている状態でした。とりあえず整理券を受け取り、順番を待って、中に入りました。
ここが劇場です。この真っ白な壁はそのままに、コンクリートを打ち出した床には五色のカラフルな布が敷かれて、下手奥にはスタンドライト、上手奥にはセンサーで点灯するスタンド型の蛍光灯が立てられている、という状態です。実際の舞台の状態は公式サイトに掲載されているので、それをご覧いただければすぐに雰囲気がわかると思います。
日本人以外も観劇に来るらしく、映像で背景に字幕を映しての上演。大村演じる「わたし」の独白から始まり、メキシコでは有名らしい「メキシコ演劇の父」と呼ばれる演出家・佐野碩や消費者金融の「プロミス」の創業者・神内良一と言った人物にも触れていき、「わたし」や「わたし」の祖母を中心とした物語(独白?)が役者三人の語りによって描かれていく……というお話。
前作に比べて、動きも少なく、演出らしい演出もないように感じ、また、少し「芝居」のエッセンスが増えたように感じました。それと、言葉の選択が非常に面白く、役者たちも時には力強く、時には穏やかに、時にはアクセントをつけたりと縦横無尽に言葉を操っている様が非常に観ていて楽しいんです。
普段の岡崎藝術座作品と変わらず、いや、たぶんそれ以上にかなり独特の雰囲気を醸し出していたけれど、なんとなく、描きたい部分は小細工なしのストレートなものであるような気がしました。それが具体的に何なのかはわかりませんが、作家の神里氏は純粋に言葉や物語を純粋に、直接的に語らせたい、というのが今回の作品を作るテーマだったんじゃないかと勝手に思っています。観終わって、なんだかすごく爽やかな気持ちになりました。
終わってから、小伝馬町駅のサンマルクカフェで友人とお茶しました。上の写真は昼の写真ですが、ぼくが観たのは夜公演で、駅前のサンマルクカフェは後1時間で閉まっちゃうところでした。が、閉まるまでの1時間を友人と延々話しました。上演時間は短かったけれど、それだけのパワーがあったような、そんなお芝居でした。
東京公演でいったんツアーは中断ですが、5月か6月ごろからツアーが再開するそうなので、観ていない方はぜひ、ご覧ください。一般的なお芝居を想像すると面食らうと思いますが、いい芝居ですよ。
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